冬の体調不良で気をつけたいのが、入浴時に起こりやすいヒートショック。年齢が上がるほど危険度も高まるため、ご年配の方は特に注意が必要です。寒い季節も安全にお風呂を楽しむための対策についてご紹介します。
ヒートショックとは、激しい寒暖差によって血圧が大きく変動して、血管や心臓に負担がかかる状態のことを指します。この症状をきっかけに、失神、心筋梗塞、脳卒中などの健康被害が引き起こされ、なかには命を落とす場合もあります。
室温の差が大きい入浴時に起きやすく、暖房のない脱衣所では室温が10℃以下になることもあり、血圧が急激に上がります。その直後にお湯に浸かると血管が拡張して血圧が下がり、血圧が乱高下します。
ご年配の方、高血圧や糖尿病、脂質異常症等の病気がある方は、ヒートショックの危険度が高いとされています。
ヒートショックは、寒くなる12月〜2月頃がもっとも起こりやすい時期です。東京都消防庁によると、高齢者が浴槽で溺れる事故により救急搬送される人数は、11月〜2月が多くなっています。
また、厚生労働省の令和3年人口動態統計によると、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は4,750人で、交通事故死亡者数2,150人のおよそ2倍です。
なお、ヒートショックは入浴時だけでなく、暖かいリビングからトイレ、廊下へ移動した際にも起こることがあります。
寒い時期は、入浴の仕方を工夫することがヒートショック対策につながります。
■飲食後や疲れているときは入浴を避ける
食後や飲酒の直後に入浴するのは避けましょう。体調不良や疲れ、だるさを感じた日は、お風呂を休むことも大切です。
■脱衣所、お風呂場を温めておく
脱衣所やお風呂場を暖房機で温められる場合は、入浴前から温めておきましょう。お風呂場に暖房がない場合は、浴槽の蓋をあけておくだけでも湯気でお風呂場が温まります。
■お風呂に入る前はひと声かける
お風呂に入る前には、家族に声をかけて入るようにしましょう。一人暮らしの場合も、すぐ連絡がつくように携帯電話を近くに置いておくなどの工夫も必要です。
■浴槽に浸かるのは10分、湯温は41℃位に
年齢を重ねると熱さを感じにくくなるため、湯温は41℃以下、浴槽に浸かる時間も10分を目安に。夜になるほど外気が下がるため、午後〜夕方の早めに入浴するのがおすすめです。
冬の間は、毎日入浴しないといけないという固定概念を捨てて、体調の悪い日は入浴をやめ、体調が良い日でも日中に入るなど、工夫してはいかがでしょうか。体調に合わせて、安全にお風呂の時間をお楽しみください。
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