文書作成日:2025/07/20
相続税の簡易な接触件数は4年連続の増加に
国税庁が行う簡易な接触とは、文書や電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触をいいます。ここでは、2024年(令和6年)12月に国税庁が発表した資料(※)から、相続税の簡易な接触の実施状況をみていきます。
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簡易な接触件数は過去最高件数に
上記調査結果から、直近5事務年度(7月から翌年6月まで、以下、年度)の相続税の簡易な接触件数をまとめると、表1のとおりです。

令和5年度(令和5年7月から令和6年6月まで)の簡易な接触件数は18,781件で、前年度より25.2%の増加となりました。4年連続の増加です。国税庁によると、簡易な接触件数の公表は平成28年度から始まり、令和2年度以降は最高件数を更新しています。
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令和5年度の状況
次に令和5年度の簡易な接触の内容をまとめると、表2のとおりです。

簡易な接触件数のうち、申告漏れ等の非違件数が5,079件ありました。前年度から37.8%の増加で、平成28年度以降で最高となりました。なお、簡易な接触件数に占める非違の割合は27.0%となっています。
また、令和5年度の相続税の実地調査件数は8,556件で、前年度から4.4%の増加です。実地調査に比べて、簡易な接触件数の増加が著しいことがわかります。国税庁は簡易な接触について、令和4年度に引き続き積極的に取り組んだとしており、今後もこうした傾向が続くことが考えられます。
相続税の申告はもちろん、相続に関する疑問や不安をお持ちの方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
(※)国税庁「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
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